【コラム】経理職における「上場企業」と「非上場企業」のキャリアの違い②

前回のコラムでは、上場企業での経理職募集では優先順位として「上場企業の経理実務経験者」を求める企業がほとんどであり、経理職としても「上場企業未経験者」が入社するのはとても高いハードルがあるとお話させていただきました。

一方で、99%以上の法人が「中小企業」といえる現状から、実は多くの会社で通用する経理という意味合いで「キャリアの汎用性」という点では、中小企業で経理実務をしっかりと積むことが「多くの会社で通じるキャリア」という見方もできるのも事実です。

上場企業や大企業と比較して中小企業で求められる要素としては一人で横断的な業務や役割を担当するでしょうか。

上場企業においては、コーポレートガバナンス上横断的な業務兼任は禁止されておりますが、多くの中小企業では「経理と財務、もしくは経理と総務の両方を兼務する」というケースが多く、一人管理部門という体制も多くございます。

「属人性が高くなる」「まとまった休みが取れない」という見方や実害もある一方で、顧問税理士や社労士など専門家の先生とも直接やり取りすることで得られる専門知識や経験の稀少性は高く、大企業にはない強みになりそうです。

いかがでしたでしょうか。

少し前ですが、午前中に面談した方は中小企業で経理総務を少人数で対応されている方で、転職希望先は「上場企業のような業務役割が分けられていて分業している体制の会社に行きたい」という方で、その午後に面談した方は現在上場企業で経理職している方で、転職希望先は中小企業で「一人で決算を取りまとめられるようになり、横断的に管理業務全般できるようになりたい」という志向の方でしたので、まさにお互いに「隣の芝は青く見えている」という状況で、人によって求める要素は大きく異なってくるということを実感しました。

どちらにしても、転職回数は増えますので慎重に見極めてキャリアパスを描いていくべきだと思っています。そのような相談もいつでもお待ち申し上げます。

担当:川崎

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